留学と研究

フィンランドへの留学

フィンランドへの留学

フィンランドに留学する方法は様々あります。

高校交換留学

日本に高校生向けのフィンランドでのホームステイプログラムを提供する会社がいくつかあります。ぜひご検索してみてください。

大学交換留学

日本にはフィンランドに留学ができる大学がいくつかあります。

フィンランドの大学留学

フィンランドの大学に進学の希望の場合、しっかり下調べを行ってください。フィンランド語またはスウェーデン語で行なわれているプログラムが学費無料なのですが、英語で行なわれているプログラムは学費がかかります。大学や学科によって大きく異なります。奨学金も存在します。

フィンランドの大学:

Aalto University
Åbo Akademi University
Hanken School of Economics
Lappeenranta University of Technology
Tampere University of Technology
University of Eastern Finland
University of Helsinki
University of Jyväskylä
University of Lapland
University of Oulu
University of Tampere
University of Turku
University of Vaasa
University of the Arts Helsinki

応用科学大学:

Åland University of Applied Sciences
Arcada University of Applied Sciences
Centria University of Applied Sciences
Diaconia University of Applied Sciences
Haaga-Helia University of Applied Sciences
HAMK University of Applied Sciences

HUMAK University of Applied Sciences
JAMK University of Applied Sciences
Kajaani University of Applied Sciences
Karelia University of Applied Sciences
Kymenlaakso University of Applied Sciences*
Lahti University of Applied Sciences
Lapland University of Applied Sciences
Laurea University of Applied Sciences
Mikkeli University of Applied Sciences *
Novia University of Applied Sciences
Oulu University of Applied Sciences
Saimaa University of Applied Sciences
Satakunta University of Applied Sciences
Savonia University of Applied Sciences
Seinäjoki University of Applied Sciences
Tampere University of Applied Sciences
Turku University of Applied Sciences
VAMK – Vaasa University of Applied Sciences

フィンランンドの各大学の学士・修士・博士・留学プログラムについては、以下のpdfファイルの中のリンクをご参考にしてください。

University Studies in Finland

フィンランドの大学データベース(英語)

研究

研究

フィンランドと日本の間は様々な研究が行われています。

フィンランドの研究についてはこちらをご覧ください。

以下のpdfファイルで博士課程に関するリンクも載っています。

University Studies in Finland

先輩の声

フィンランドへの留学や研究の経験の話をこちらに集めています。

研究活動

石川素子

石川素子:ヘルシンキ大学社会研究科博士課程

1.研究テーマ
ヘルシンキ大学で日本とフィンランドのベビーブーマー(団塊の世代)の加齢とウェルビーイングについての比較研究を行い、博士号の取得を目指しています。日本とフィンランドは急速に高齢化が進み、ベビーブーマー世代がそれに大きな影響を与えているという点で、人口学的に極めて類似しています。他方で両国は社会・文化的に大きく異なる面を持っています。研究のねらいは、高齢期に移行しつつある日・フィンのベビーブーマーの生活とウェルビーイングを明らかにし、社会・文化的およびジェンダーの視点からその類似性と差異を検証すると共に、彼らがどのような姿勢で加齢に向かいあっているかを探求していくことです。

2.フィンランドを選んだ理由
私とフィンランドとの関わりは約15年前に遡り、フィンランド語に興味をもったことがきっかけでした。趣味ではじめたフィンランド語の学習が高じて、次第にフィンランド社会に関心を持つようになり、同国の福祉政策を研究テーマとすべく大学の修士課程に進学しました。在学中にはタンペレ大学に一年間留学することもできました。その後、ヘルシンキの在フィンランド日本国大使館と日系企業で六年間に亘って働く機会があり、その間にヘルシンキ大学の博士課程に進学しました。

博士課程での研究を決意した理由は、フィンランドと日本の社会を学問的かつ実証的に比較して、研究成果を広く発表したいと思ったからです。幸い2014年秋より日本の民間機関から奨学金をいただいており、今はフルタイムで研究に取り組むことができています。

3.フィンランドにおいて、研究者にとって良いところ、悪いところ
フィンランドでは博士課程在籍者は学生ではなく、一人の自立した研究者として扱ってもらえるところが良いところだと思います。大学の研究プロジェクトに雇用されていたり、あるいは民間団体から研究資金を付与されている場合、博士課程在籍者にも各自の研究スペースが与えられ、集中して研究に取り組むことができます。私の場合、三人部屋の研究室で自分のデスクや棚、コンピューターに囲まれて快適に過ごしています。

自立と自律が尊重されるところが、逆にいえばフィンランドの大学での研究生活の負の面となりうるかもしれません。というのも、自ら積極的に行動しなければ、何もはじまらないからです。私も学外で仕事をしながら博士課程に在籍していた頃は、多忙のあまりに研究テーマを見失ってしまい、それを誰にどのように相談したらよいのか途方に暮れたこともありました。現在はスーパーバイザーの指導だけでなく、日・フィンの比較研究に関心を持つ共同研究者や先生達とも知り合うことができ、だんだんと人脈が広がってきました。仕事も研究も自分一人の力ではできないので、良い人々に恵まれることの大切さを実感しています。

4.大変な経験、苦労している点
ヘルシンキ大学では、社会科学分野の研究をしている日本人研究者の数が非常に少ないです。外国人の博士課程在籍者はたくさんいるのに、日本人は私を含めておそらく2、3人しかいないので、孤独を感じることが時々あります。常に英語かフィンランドを話さなければならず、日本語で研究について気軽に相談しあえる機会があまりないことには少しストレスを感じますね。

5.フィンランドでの研究を検討している研究者へのメッセージ
フィンランドは治安が良く、生活水準も高いので、研究生活を送るのに適した国だと思います。特に首都圏は英語がよく通じ、フィンランド語ができなくても十分に暮らしていけます。また、大学内での共通語も博士課程以上は英語へと移行しつつあります。さらに、親日的な国であるためか、日本人として不利な経験をしたことは殆どありません。長くて寒い冬は厳しい面もありますが、仕事や研究に打ち込んでいれば、それほど気にはならないと思います。研究に疲れたら、サウナ、森でのハイキング、ベリー摘み、スキーなど、元気を回復できる手段がたくさんあることも魅力的ですよ。

尾崎啓子

尾崎啓子:埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター

私の専門は臨床心理学、カウンセリング、学生相談です。平成26年度から3年間、所属大学の附属特別支援学校長を兼職している関係で、特別支援教育にも高い関心を持っています。

フィンランドに関しては、学力世界一を維持する教育環境、中でも教師のメンタルヘルス、特別支援教育の推進について知りたいと思い、研究しています。平成23年夏から27年までの5年間で5回現地を訪れ、ネウボラ、保育園、小学校、中学校、特別支援学校を中心に見学し、たくさんの先生方からお話を伺ってきました。教職員組合でもお話を聞く機会を得ています。今年(平成28年)も9月に渡航予定です。

フィンランドとの出会いは偶然でした。平成23年8月から9月にかけて、友人で社会福祉の研究者に誘われて研究視察に同行し、主にヴィヒティ市内の保育園、高齢者サービスホームなどを訪問しました。視察先の1つである小学校で、午前中の中休みの時間に先生方が職員室でコーヒー片手に談笑している姿に驚き、日本の先生方の余裕のない働き方を頭に浮かべつつ「教師生活でのストレスとはどのようなものですか。」と質問したところ、校長先生を始めほぼ全員の先生方が「stress? nothing!」と大笑いされたことに衝撃をうけました。このことがきっかけで、以後ほぼ毎年フィンランドに出かけ、ストレスを感じない教育・学校のヒミツを知りたい、日本の先生方にも参考になることがあれば伝えたいと願って、いろいろなタイプの学校を訪問しています。

私にとってのフィンランドの良さは、どこに行ってもほぼ英語が通じるところ、自然が多くリラックスできるところ、日本に興味や好感を持ってくれている方が多いと感じるところ、街が静かなところ、が挙げられます。研究を進める上での難しさといえば、海外での研究にはつきものの困難かと思いますが、視察先の依頼と現地の研究者と面識を得ることです。学会活動を通じて現地で視察先をコーディネートしてくれる方と知り合い、日程調整などお世話になっていますが、ヘルシンキ市内の学校は視察NGなど、大変な面もあります。また高福祉国家なので、滞在費用がかなりかかります。

研究を続ける上でこういった幾つかの課題はありますが、教師に限らず人々の「幸せ」「充実した生活」について深く考えさせられる貴重な機会を得ていると感じています。近いうちに是非長期滞在し、フィンランドの教育が成功しているヒミツの奥深さに迫りたいと考えています。

高校交換留学

田中優子

プロフィール
田中優子:東京都出身、明治学院大学文学部英文科卒 
国際ロータリー第2750地区青少年交換学生として2003-2004年にフィンランドのトゥルクに留学
―スポンサークラブ:東京目黒ロータリークラブ
―ホストクラブ:トゥルクシルッカラロータリークラブ(第1410地区)

海外に憧れを抱いていた私が出会ったのがロータリークラブでの交換留学プログラムでした。
ロータリーでの留学は語学研修ではなく異文化交流に目的を置いているので、英語圏のみならず世界のあらゆる国が派遣国として設定されている非常に特色のあるプログラムです。交換学生になるための選抜試験、そしてその後1年の研修期間を経て、いざ現地へ派遣されます。もちろん派遣国の希望を出すことはできますが、その希望が必ずしもかなうわけではありません。正直なところ、フィンランドは私の第一希望国ではなかったのですが、これも縁でしょうか、私が掴んだ切符はフィンランド行きでした。

留学中に一番衝撃的でかつ難しさを感じたのは、学校での授業だったと思います。
現地では公立高校に通っていたのですが、学校の授業は日本のものと違う部分がたくさんありました。例えば、英語の授業中は本当に英語しか話しません。当たり前のようですが、これには驚きました。日本では英語の授業であっても日本語を使うことは多々あります。しかし、フィンランドでは生徒同士の会話でさえも英語でしたので、その姿勢に衝撃を受けました。
それからどの科目でもそうでしたが、自分が出した答えを「どう」導いたのか「なぜ」そう思ったのかにフォーカスをあてており、○×の2択ではなくその裏にある「考え」を大切にしていました。「なぜ?」と問われると何と答えて良いか分からず言葉に詰まることが多く、自分の考えの無さを痛感しました。
考えるということのきっかけをくれたのは、間違いなくフィンランドでの教育だったと感じています。

フィンランドの社会面で興味を持ったこと
個人的に一番関心を持った分野はフィンランドでの女性の社会進出です。女性が社会で男性と同じように働くことができるのは、もちろん子育てのしやすい環境が整っているということも事実ですが、それ以上に男性の労働環境や家庭への意識の違いが大きいと考えます。社会と家庭は性に関わらず互いに築いていくものだという考えが根付いているからこそ、男女平等社会が実現できているのでしょう。労働人口が減っていく日本においても、女性の時短勤務や子育てへの配慮のみに注力するのではなく、男性の働き方に対する改革も進めていかなくてはならないと思います。男性も女性も共に歩んで行けるような社会を「きれい事」と片付けるのではなく、実現に向けて一歩を踏み出さないといけないと考えます。

これからフィンランドへ行かれる方へ
留学という視点で見ると、フィンランドはまだまだ珍しい国ではありますが、それゆえフィンランドでの1年は貴重な体験となりました。海外での生活は楽しいことばかりではありません。特にフィンランドは気候も独特ですし、言葉も難しいので、フィンランド生活の始まりはいつも不安が付き物になることでしょう。それでも、フィンランド人の思慮深さと勤勉さは日本人に通ずる部分が多く、彼らに助けられた部分はたくさんありました。また、壮大な自然を守りつつ社会政策が進んでいる国はやはり魅力的です。